となりの一条三兄弟!


背筋を伸ばして、出迎えの人が顔を出すのを待っているけど、いくら経っても誰も来てくれない。


……これは勝手に入ってもいいってこと?

ドアノブに手をかけると、やっぱり鍵は開いていた。


玄関からは新築のような匂いがして、よく見ると男性用の靴がある。

鍵を開けてくれたし、誰かいるってことは分かるんだけど……。

「あ、あの……」

虫も殺せないようなか細い声を出した。


「あ、あの!」

2回目は少し頑張った。


人がいる気配はあるのに誰も玄関まで来てくれない。

耳をすますとリビングのほうから物音がするので、もしかしたら昴さんが食事を作ってるのかもしれないと思った。

暫く考えて、すごく迷って。


「お、お邪魔します……!」と泥棒に間違われないために声を張り、家へと上がらせてもらった。

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