となりの一条三兄弟!
「逃げないで。これから楽しいパーティーが始まるよ」
「……っ」
「だから茉莉ちゃん。早くこっちにおいで」
昴さんの手が私の肩へと伸びる。
「イヤあああ……!」
恐怖でそのまま床にうずくまると、この空気にそぐわない冷静な声が飛んできた。
「いい加減にしろ」
ため息まじりのその声に慌てて顔を上げると、開かなかったはずのドアが開いていて、そこには一条聖が立っていた。
「やり過ぎだ、お前ら」
呆れた顔をしながらも、その手は私へと差し伸べられている。
「立てる?」
初めて聞いた不機嫌じゃない声。
手を掴みたくても体が震えてどうにもならない。むしろ腰が抜けてしまったらしくて、足にも力が入らなくなっていた。
ポロポロと涙が溢れてきて、なにがどうなってるのかまだ理解できない。
「わわ、ご、ごめん!まりりん!泣かないでー!」
気づくと後ろから暖かい感触がして、晶くんが私を抱きしめていた。するとすぐに一条聖の拳骨が晶くんの頭へと落ちる。