となりの一条三兄弟!
「てめえは調子に乗りすぎだ。学校でも教室でもうろちょろしやがって」
「そんなに怒らないでよ、聖にい」
晶くんが反省する中で、一条聖の視線は昴さんにも向く。
「兄貴も晶に毒されてんじゃねーよ」
「ん?俺はただ料理を作ってただけだよ?」
「いいから兄貴もこいつに謝れ」
彼に言われたとおり、昴さんが申し訳なさそうな顔をして、私の頭を優しく撫でてくれた。
「茉莉ちゃん、怖がらせてごめんね」
なにがなんだか分からない。
腰を抜かしてる私の周りを囲うように立つ一条三兄弟。その威圧感とオーラでますます体に力が入らない。
「茉莉ちゃん。隣人としてこれから接する機会が増えていくと思うんだけど、その前にどうしても茉莉ちゃんだけには話しておきたいことがあるんだ」
そう言って昴さんが私のことを立たせてくれた。
「……話しておきたい……こと?」
三兄弟は深刻な表情で、顔を見合わせている。
「まあ、とりあえず食事にしよう。話はそれからだね」
そのあと手際よく昴さんが料理を再開して、テーブルには色とりどりの美味しそうなご馳走が並べられた。
さっきまで恐怖で震えていたとは思えないほど明るい食卓。
私の前には昴さんが座って、その隣は晶くん。
そして私の隣には一条聖が座って、昴さんの声かけで「いただきます」とみんなで手を合わせた。