となりの一条三兄弟!


「ウサ子たち大丈夫かな?」

景ちゃんも私の席に側にやってきて、心配そうな顔をしている。


「動物小屋の鍵ってたしか南京錠だったよね?ウサギたちが壊せるわけないし、やっぱり誰かがやったってことだよね?」

「……うーん」

「なんか物騒で怖いね」

物騒と聞いて思い浮かぶのは昨日の教室での出来事。

今まで霊感なんてないし、そういう類いのものには無縁だったけれど、直感〝なにかいる〟と感じた。

そのせいで、昨夜は眠れなかったし、あの不気味な雰囲気を思い出すだけでも鳥肌がたつ。

……もしかして、動物小屋の鍵が壊されてたのもなにか関係がある?


「お、おばけの仕業かも……」

私は小さく呟いた。


「ええ?おばけ?急にどうしたの?」

景ちゃんに笑われている。冗談じゃないのに。


「じ、実は昨日ね……」

「うん、昨日?」

景ちゃんだけには話しておこうと口を開く。……が、次の瞬間、トントンと背後から肩を2回叩かれた。


誰だろうと振り向いたけれど、そこには誰もいない。


「茉莉?どうしたの?」

景ちゃんが不思議そうな顔をしてる。


またまた寒気。

絶対にオカシイよ。今たしかに肩を叩かれたし、今でもはっきりと感触が残ってる。

それなのに後ろには、虚しくローカーが並んでるだけ。

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