エリート御曹司が花嫁にご指名です
「見合いはいつだ? 調べてくれないか」
『優成さん、汐里の決心は変わりませんよ。俺が何度説得したことか。聞いておきますが』

 シスコンの壮二でも諦めるほど、汐里の決心が固いのか。



 翌日の土曜日、俺は緊急で片づけなければならない案件が入り、出社した。重役階のフロアは誰も出社しておらず、静まり返っている。

 案件を解決させたのが夕刻。地下駐車場に停めている愛車の運転席に座ると、汐里へ電話をかけた。

 しかし、呼び出し音が鳴るばかりで、彼女は出ない。

 出かけているのか……。そう思ったとき――。

『一条です』
「これから会いたい。何時なら?」

 何時でもいい。会って話をしたかった。

 汐里は俺からの電話を仕事なのかと思い、今から会社へ来ると言った。社用であって、そうではない。

 俺は曖昧に言って、これから向かうと告げ、電話を切り、車を飛ばした。

 そして汐里の自宅前に到着し、彼女を呼び出した。

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