エリート御曹司が花嫁にご指名です
 翌日、久しぶりに愛車に乗って乗馬クラブへ赴いた。小学生の頃から始めた乗馬は、辞めることなくずっと続いている。

 社会人になってからは、それほど頻繁には来られなくなったけれど。

 一番夢中になっていた時期は高校生の頃で、乗馬馬術競技にも出るほど打ち込んでいた。

 土曜日の正午、乗馬クラブでは会員たちがサロンで生ビールやワインを飲み、談笑している。クラブ会員のほとんどが、乗馬後に飲むのが恒例になっている。

 都内にあるこの乗馬クラブの会員は裕福な人たちばかりで、医者や会社社長、弁護士、俳優など。

 女性はブランド物で着飾り、ソファの上の無造作に置いてあるバッグは、手に入りにくいハイブランドのものだ。
 
 楽しそうに話をしている会員たちを尻目に、すぐに乗馬ができるようにと自宅から着てきた、白いポロシャツに黒いデニムキュロットの服装で、受付へ歩を進める。
 
 デニムキュロットは、スリムなデニムで、伸縮性に優れ、騎乗時に安定感が出るように尻革部分にシリコン素材を施されている。
 
 近づく私に、カウンターの中にいた女性が華やかな笑みを浮かべた。

「汐里! 待っていたわ」

 彼女は乗馬クラブのオーナーの娘で、馬術競技の日本代表になるほどの持ち主。そして私の親友でもある、二ツ木(ふたつぎ)珠理奈(じゅりな)

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