エリート御曹司が花嫁にご指名です
「んー。生き返るー」

 甘さの中にミントの爽快感が口いっぱいに広がり、頬を緩ませる私だ。

「土曜日の夕方、兄妹でチョコミントアイスを並んで食べるって……わびしいね」

 両親は一泊二日で熱海(あたみ)の別荘へ出かけている。

「そうか? 休息も必要だしな。そうだ。夕食は近くにできた石窯のピザレストランへ行かないか?」
「壮兄、誰も誘う人いないの?」
「いないこともないが、しおりんだと、面倒くさくないし?」

 どちらかといえば、尊兄さんよりも壮兄のほうが美麗な顔をしている。壮兄は患者さんや看護師さんからも人気があり、頻繁に縁談が舞い込んでくる。

 それなのに、浮いた話ひとつなくて、両親が嘆いている。

 私も同じだけど……。

「私だと、面倒くさくないって。いるんだったら、その人を誘ってみたらいいのに」

 それだから、三十二歳で独身なのだ。モテるはずなのに、本人にその気がないから。壮兄が本気で女性を好きになったら、すぐにでも結婚できると思う。イケメンで優しいし、気が利くし、お医者さまで裕福。

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