エリート御曹司が花嫁にご指名です
「ひどい上司だと思ったか?」

 エレベーターが下降する中、ふいに聞かれて、優成さんの顔を仰ぎ見る。

「いいえ。確かにこの会議は、まだ宮本さんには難しいと思います」

 まだぬるい仕事しかやってもらっていない。

「慣れるには、まだもう少しお時間が必要かと思います。私がしっかり指導しますので」

 上司にあのような言い方をしたところを、南場秘書室長も聞いていた。今頃、厳しく注意をされていることだろう。

 そこで会議室のある十五階にエレベーターが到着した。


 IATAスロット会議のために、わが社の各方面のスペシャリストを揃えた会議では、先ほどのことがなかったかのように、優成さんはリーダーシップを取り、どんどん話を進めていく。

 そばで議事録を打ち込んでいく私は、久しぶりに集中した時間だった。


 会議は二時間みっちりあり、終了後、秘書室に戻ると、宮本さんは早退したと南場秘書室長に言われる。

 この後、今の会議の議事録を説明しながら整理してもらおうと思っていたところだった。

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