エリート御曹司が花嫁にご指名です
 そして五ヵ月後。

「社長、今日の会議は十一時からとなっております。十二時から機内ミールの試食会で――」
「汐里くん! そんなところに立っていないで、ここに座りなさい」

 タブレットを見ながら、義父である社長のスケジュール確認をしていた私は、心配性な声に遮られた。

「社長、大丈夫ですから」

 私はやんわり断り、スケジュール確認の続きをしようとした。

 結婚後、私は優成さんの専務秘書を離れ、社長の第二秘書になっていた。

 三和子さんが第一秘書だけれど、彼女は南場秘書室長の代わりに〝秘書室長〟となっている。
 
 昇格し、お給料も上がった、と三和子さんは喜んでいたが、秘書課の責任者という立場には、いささかげんなりしている様子。

 そして南場秘書室長は、優成さんの専属秘書に。秘書課の室長ではなくなったが、今までの業績により、室長から部長に昇格。

 宮本さんが南場秘書室長、もとい南場秘書の下につき、サポートしている。

 本当ならば私が退社後、彼女が第一秘書になるはずだったけれど、仕事の評価が下がり、第二秘書に。
 
 私が退社するまでは、あと一ヵ月しかなく、私のお腹は妊婦だとわかるくらいに大きくなっていた。
 
 そこへノックの後、優成さんが現れた。

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