エリート御曹司が花嫁にご指名です
「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」

 真夏の撮影で、汗をかかないようにあまり水分を取らないようにしているが、やはり喉は渇いて身体が水を欲している。

 ゴクゴクと冷たい水を喉に流して、「ふう~」と口をすぼめた。

「夏場にジャケットじゃ暑いわよね。早く脱いで」
「ごめん。新品なのに汗が……」
「いいの、いいの。今回着てもらった服や小物は、汐里にプレゼントするものなの。ショップとタイアップできたからもらってね」

 都内で最大の会員数を誇り、裕福なメンバーが多い二ツ木乗馬クラブが推しているショップなら、タイアップして損はないだろう。

「ありがとう。どれも素敵だから嬉しいわ」

 私と珠理奈は更衣室へ向かった。

 室内へ入ると、エアコンが利いていて外へ出たくなくなる。

「げんなりしているわね。大丈夫? 水分を摂ってね」
「大丈夫。涼しいから気持ちいいわ。さてと、次の服は?」
「ちょっと待って!」

 珠理奈は近づいてきたクラブスタッフの女性から、ショッパーバッグを受け取った。

「これでお願い。サロンで待っているわね」
「了解」

 ショッパーバッグを珠理奈から渡された私は、更衣室へ歩を進めた。


< 51 / 268 >

この作品をシェア

pagetop