エリート御曹司が花嫁にご指名です
「そ、そんなことは無理でしょう? いいんです。退職を認めてください。いえ、正式な手続きを踏むのですから、桜宮専務の許可はいりません。ひとりで帰れますから。ご心配は無用です」
私は頭を下げた。
あり得ないことを口にしてしまって、私の頭は混乱していた。気を静めるには早くひとりになりたかった。
「汐里、送っていく」
「いいえ。ひとりで大丈夫です。失礼します」
「汐里!」
背を向けた私の手首が掴まれた。
「ひとりになりたいんです!」
桜宮専務の手を振りきって、私はスタスタ歩きだした。振り返って彼の顔を見ることはできなかった。
鏡で見なくても、自分の顔が真っ赤になっているのはわかる。
桜宮専務は私の心情を察してくれたみたいで、追いかけてくることはなかった。
これで新しい一歩が踏み出せる……。
そう考えても、胸の苦しさはいつまでもなくならなかった。
私は頭を下げた。
あり得ないことを口にしてしまって、私の頭は混乱していた。気を静めるには早くひとりになりたかった。
「汐里、送っていく」
「いいえ。ひとりで大丈夫です。失礼します」
「汐里!」
背を向けた私の手首が掴まれた。
「ひとりになりたいんです!」
桜宮専務の手を振りきって、私はスタスタ歩きだした。振り返って彼の顔を見ることはできなかった。
鏡で見なくても、自分の顔が真っ赤になっているのはわかる。
桜宮専務は私の心情を察してくれたみたいで、追いかけてくることはなかった。
これで新しい一歩が踏み出せる……。
そう考えても、胸の苦しさはいつまでもなくならなかった。