俺と、甘いキスを。
月曜日の朝、花は朝食を済ませて出勤の支度を整えると、縁側にいる俺のところへとやってきた。
「仕事に行ってきます。昼食は用意してあるので母が出してくれます。事務長や柏原さんにお休みのお話はしてありますか?」
「さっき柏原さんに連絡したよ。事務長にも話してくれるそうだ。花、おいで」
俺は花を近くに呼んだ。
「……」
昨日の今日だ。花は目をキョロキョロさせて、俺の前にやってきた。寝癖で小さく跳ねた髪をそっと撫でると、頬がピンク色に染まる。
「そんな顔をするな。襲いたくなる」
「なっ……右京さんだって、朝から変なこと言わないでくださいよ」
と、小声でごにょごにょ言うその小さく唇に、軽くキスをした。
目を丸くする花に笑ってしまう。
「帰ってくるのを待ってる。気をつけて行っておいで。あ、それから」
と、思い出したことを付け加える。
「俺がここにいることは他言無用だ。柏原さんにも言ってないから、聞かれても「知らない」と答えればいい」
「わかりました」
花は素直に返事をすると、「いってきます」と出勤していった。