俺と、甘いキスを。
「?!」
「え?」
その写真を注目した私たち家族は再度驚き、柴本貴臣の顔つきもサッと変わる。
右京誠司は「これね」と、ポケットから取り出したのはボイスレコーダーだ。
「ユウナちゃんに「君の彼の潔白を証明するために録音させて欲しい」と頼んだら、快く承諾してくれたよ。聞いてみるかい?」
「右京専務、一体何を…」
と、柴本貴臣がそのボイスレコーダーに手を伸ばしたが、その手は宙を握る。ボイスレコーダーは再生された。
『じゃあ、ユウナちゃん。柴本貴臣とはいつ知り合って、いつから付き合い始めたの?』
『うーん、知り合ったのは一年半くらい前かな。友達とクラブに行ったときに声をかけられたの。付き合い始めたのは、一年くらい前かな。それまでタカくんとはキスもエッチもしたけど、一番の彼女はあたしになったの』
少し高めの、若い女の子らしい声が個室に広がる。
「それを、やめろ!」
柴本貴臣が右京誠司に飛びかかろうとした。それを素早く羽交い締めにしたのは、兄だった。
「離せっ。俺は君の妹の結婚相手だぞ」
「まだ、そうと決まっていない」
騒ぐ柴本貴臣を捕まえたまま、兄は冷静に言い放った。
一方で右京誠司のボイスレコーダーをじっと聞いていたのは、私の両親と貝塚部長だ。
『タカくんの一番はあたしだけど、二番目はリサでしょ、三番がハーフのリンダで四番が……』
「……」
──今の時代は、一夫多妻制だったか?
無意識に口が開いていることにも気づかないくらい、呆れる内容だ。