雪の訪問者
奔流の向こう側の彼女を見る

泣いている

いや、泣き笑いの表情を浮かべて

両手を、大きく振って

「待ってよ!」

ゴオオオオオッ!

僕の叫びは、突然の突風にかき消され

そして、再び吹雪でホワイトアウト

一瞬、視界を奪われる

突風がおさまる

視界が、復活する

大通りの向こうを、奔流の彼方に目を凝らす

彼女は…いない

何処へ?何処へ?何処へっ!

迂回する、200メートル先の横断歩道へ

全速力で

横断歩道を渡り、さらに200メートル戻り

さっき、彼女がいた場所へ

いない

家路を急ぐ、通行人だけ

彼女は、一体何処へ?
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