雪の訪問者
僕と彼女の共通項である、「読書」という趣味を橋渡しにして

でも同時に、僕は一抹の不安も感じていた

学年一のアイドルが、こともあろうに何の取り柄もない、無口な文学少年と

放課後の、誰もいない教室で、密会を続けている

こんなことが、誰かに知られたら…

変な噂をたてられる、絶対

迷惑だ

特に彼女自身、絶対迷惑に思うだろう

彼女と本について話すのは、それなりに楽しい

多少、緊張するけど

無用なトラブルを避けたいと考えた僕は、放課後に教室で読書するのをやめた

もちろん、彼女との接触を避け、変な噂をたてられないようにするために

つまり、僕は逃げたのだ

でも、彼女はどうだったのだろう

無口な文学少年を、冷やかしたかったのか

それとも、多少なりとも、僕に関心を持っていたのか
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