俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
自室に戻れということかと思ったが、そうではなかった。

「腕立て伏せ、百回だ」言われ、アリスは目を丸くする。

(もう就寝時間なのに!? 薬を塗っていたわってくれたのは、なんだったの?)

早くしろと急かされて、下着姿のまま長椅子の横の床に両手をつけば、騎士団長が薄く笑う。

「フランにやりすぎだと言われたが、痛みが消えれば文句はないだろう。筋肉は壊れて修復される過程で、太く強くなる。軟弱な体を筋肉の鎧で覆うには、訓練あるのみだ」

弱音を吐かないと誓ったばかりなのに、アリスは心の中で泣き言をもらす。

(ヘロヘロのクタクタな上に寝不足にさせる気……? こんなんじゃ倒れちゃうよ)

腕立て伏せに続いて、腹筋と背筋、スクワットもさせられた後は、「柔軟性を見てやる」と言われ、床の上に座った姿勢から両足を限界まで広げられた。

アリスを後ろから抱え込むようにして、騎士団長は体を密着させてくる。

すぐ横には美々しい顔があり、背中に筋肉質の逞しい胸を感じるが、ときめいている場合ではない。

「痛いです!」と叫んでも、「耐えろ」と言われ、さらに股を広げられる。

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