俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
やりにくさは感じつつも、石鹸で泡立てたタオルを貫頭衣の中に入れて体をこすり、服の上から柄杓で湯をかけた。

(ああ、気持ちいい。一日の疲れが泡と一緒に流れていく気がする。でもこの後は勉強があるのよね。ロイ騎士団長は、勉強の教え方も厳しいから、ちょっと憂鬱……)

昨日は、十二歳くらいの子供向けの文学書を一冊読まされ、アリスにとっては難しい単語の書き取りを練習させられた。

数の勉強は、三桁の足し算だ。

なんとなくの理解では、許してもらえない。

少しでも早く終わらせ、睡眠時間を確保するために、アリスはかつて経験したことのないほど脳みそを使っていた。

(頭も体も、毎日クタクタ。でも、よく考えたら、ロイ騎士団長も寝不足よね。私に付き合ってくれているんだから……)

濡らした髪に石鹸をつけて泡立てながら、ふとそんなふうに考えた。

二十日ほど前に『やる気がある限り、俺はお前を見捨てはしない』と言ってくれた言葉も思い出し、アリスの胸に感謝がじわりと広がる。

(ありがたいことなんだ。がっかりされないよう、頑張らないと……)

そう思った時、沐浴場のドアが軋んで開けられた音がした。

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