俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「ロイ騎士団長、こちらは制圧しました。そいつがコズメルですか?」

他の騎士の声がして、数人が駆け寄る足音が響く。

するとハッとした騎士団長が、慌てたように上着を脱いでアリスの体をくるみ、その腕に抱き上げた。

「負傷者一名。アリュースは俺が連れ帰る。お前たちは捕縛した者を一か所に集め……」

アリスは瞼を閉じて、逞しい胸に頬をあてている。

打ちつけた後頭部の痛みより、守られる心地よさが勝り、眠るように意識を手放した。


まだおぼろげな意識の中、気づけばアリスは干し草のベッドに横たわっていた。

体を動かせず、声も出せないが、焦りはまったくない。

のんびりとした気持ちであくびをした後は、ここが森の中であることを知る。

円く木々が途切れた場所でひとり、寝ていたようだ。

(どうして……?)

不思議なことはまだある。

すぐ近くに切り株がふたつあり、白うさぎと黒うさぎが向かい合って人間のように腰かけている。

うさぎたちはアリスを警戒することなく、難しい顔でヒソヒソとなにかを相談している。

白うさぎは物腰が柔らかで上品な雰囲気があり、丸眼鏡をかけている。

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