如月くんは私をひとりじめしたい

「……しばらく放って置いて欲しい。小春ちゃんは本当に模範的なカノジョだよ。一緒にいると楽しいけど……僕みたいな人間には眩しくて、たまにえらくなる」

「ご、ごめん…」

「小春ちゃんは悪くないよ。でも、その素直さも可愛さも、僕からすると羨ましくて……辛いんだ」


如月くんは行ってしまった。

これから当分は話しかけるなってことだよね。

やっぱり、重かったのかな。

如月くんとの間には見えない壁があることに薄々気付いていた。

手を伸ばしても、決して届かない。

壁を壊してもまた新たな壁が築かれて、距離はどんどん遠くなっていく。

そんなつもりはないのかもしれない。

だけど、如月くんはきっと見えない我慢してると思う。
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