如月くんは私をひとりじめしたい

如月くんは後ろから抱き締めてきて、私の首に顔を埋めた。

そして、私の首に吸い付くようにキスを落とした。


「…ん」


それを何度も繰り返してきた。

そんなことをされたら洗い物どころではなくて、途中から手を止めていた。

でも如月くんは意地悪で。


「ねえ、手、止まってるよ?」

「う、うん…」


そうは言うもののキスはやめてくれず、私は我慢できなくなった。


「如月くん、キスするのやめて…」

「無理だよ。だって暇なんだもん」

「でも、これじゃあ終わらないよ」

「いいよ。こうやって待ってるから」


返す言葉がなかった。

でもだからって、このままキスされ続けるのは無理だ。


「お、お願いだから大人しく座ってて!」

「…分かったよ」


如月くんはあっさりとソファーに行ってしまった。

こんなにあっさり引いてくれるなら、早く言えばよかったかも。

如月くんが行った後、ぱぱっと食器を洗うとしょげている如月くんの隣に座った。
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