となりのオオカミくん
“ガチャッ__”
「…ただいま〜。」
「お邪魔しまーす」
一ノ瀬くん宅を出て徒歩わずか2秒の我が家に到着。
んー、やっぱり慣れないなぁ。
逆に怖いくらいにいつも通りな一ノ瀬くん。
さっきのは何だったの……??
あまりにびっくりしすぎて、私はまともに一ノ瀬くんの顔すら見れていない。
でも当の本人は何もなかったかのように寝癖をぴょこぴょこさせながらご機嫌の様子。
ほんとわかんないよ……。
「綾川さん、今日はなにつくってくれるの」
「えと…、今日はオムライス、つくろうかな」
「わーい。俺オムライスだいすき」
相変わらずの掴めない、抑揚の小さなまるで棒読みみたいな話し声。
でも、なんか、嬉しそうだな。
自然と私の口角も上がる。
「…それはよかった。が、がんばるね」
そう言うと、一ノ瀬くんは小さく微笑み返して、すたすたとリビングに行ってしまった。