港町 グラフィティー
7時15分…いつもの喫茶店。
どうせ…聡は8時過ぎにしか来ない。

あれから 私はトイレに駆け込み
胃の中が空っぽになるまで吐き続け
席に戻った時には、ショウコも奈津美も
帰ってしまった後だった。

涙と鼻水でばっちりメイクはドロドロに…
コンチクショウ!
せっかく頑張ったっていうのに…何とか元通り
とまではいかないながらも 直しおえた時…

白十字のドアが開いてツギちゃんとカンクロが
入ってきた。
私の斜め向いの席に腰をおろす。

「あれ?良美…久しぶりだな…今日は誰も来てないの」
ツギちゃんは革ジャンのポケットからタバコを出しながら
聞いてきた。
「どうよ?聡とは上手くやってますか?」
カンクロがふざけながら 手をヒラヒラさせている。
いつもながら感に触る奴だ。

「さっきまで ショウコと奈津美いたけど…もう帰ったよ」
つっけんどんに答える。

どうしよう…ツギちゃんに問いただしてみようか…
いったいどう聞けばいいんだろう…。



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