恋泥棒の犯行予告



そのあとの話は日世と不破島くんでまとめたらしく、私は水着と浴衣を用意するように言われただけだった。


『なんでもいいけど、できればかわいいやつ』

『それも不破島くんからの伝言?』

『いや……俺が見たいから』


まさか頬染めてそんなこと言われると思ってなかったから、私も固まってしまった。なんとか返事をして、今に至るわけだけども。


「これでいいか」


水着も浴衣も、去年買ったもの。

高校生になって、やっと自由に遊べると張り切って買った。

結局出番はなく、タンスの肥やしになっていたけれど。


──ピンポーン。


水色のワンピースを着て、麦わら帽子を被る。

ヒールの靴は駅まで歩いていくと足がいたくなるから、スニーカーにしておこう。

水色と白、そして麦わら。

ちょっと浮かれすぎな気もするけれど、まぁいいか。


「お待たせ……って、なんでそんなにびっくりしたみたいな顔してんの」
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