恋泥棒の犯行予告

「六花っっ!!」


ぼーっと不破島くんと日世のやりとりを見ていたら、突然横から衝撃に襲われた。

いたい。


「暁奈、いるならいるって言ってよ。私どこに連れていかれるかヒヤヒヤしてたんだよ」

「ごめんごめん。ちょっとしたさプライズってやつ。ちなみに行き先は不破島のおじいちゃん家らしいよ。海が近いんだって」


にしても六花可愛いかっこしてんね、と白い歯がのぞく。

暁奈はジーンズ素材のホットパンツに、シンプルな白シャツ。

細すぎない健康的な脚がのぞくのは、なんというか、同じ女の私が見ても魅力的だった。


「んじゃ、行くか。こっから電車で40分くらい」


出発しんこー、と元気不破島くん。

目の前で不破島くんが握っている黄色い旗が揺れる。

まるで小学生の遠足のようだ。
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