空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
それから10日後のことだった。

母がパートに出てしまい、姉妹2人、それぞれの部屋で勉強を進めていると、突然不断滅多に鳴ることのない1階の家電が鳴り出した。

真っ昼間の電話だし、どうせ何かの勧誘かと思って最初は出なかったのだけれど、一度切れて20分ごとにかかってくるものだから、さすがにおかしいと思い、3回目にして私は受話器を取った。


「はい、もしもし、瀬生です」

「もしもし、こちら高柳総合病院です。瀬生守さんのご自宅でお間違えないですか」

「はい。瀬生守は私の父ですが...」

「瀬生守さんなのですが......」


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