空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
「ふぅ。びっくりした...」


颯翔くんは全身の力が抜けたみたいでそう呟くとその場にしゃがみこんだ。


「だ、大丈夫ですか?」


慌てて駆け寄るもどうすることも出来ない。

ただ、なんとなく謝らなきゃならないと思った。

全ての事柄は私が招いた。

引き金を引いてしまったのは私だ。

私の行動は幼稚で自分勝手だった。

拳を握り、俯く。

視界が歪み始め、唇を噛んで堪える。


「颯翔くん、あの...ほんとにごめんなさい。私、そのぉ...ただ...ただ颯翔くんと仲良くなりたくて。勝手な行動をとって迷惑かけました。ごめんなさい...」


嫌われてるし、避けられてるって分かっているのに、私は猪突猛進して壁にぶつかって勝手に傷作って痛い思いして...。

痛い痛いのとんでけーなんて言ってもらえたらなんてバカな妄想して...。

わざと自分が傷付いて誰かになぐさめられるのを待って...。

もしくは、傷つく自分を悲劇のヒロインだって感じて喜んでる、満足してるのかも。

そんな自分は...しょうもないやつだ。

涙も惜しいほどしょうもないやつだ。


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