空よりも海よりもキミのことを知りたかった。

スマホをスカートのポケットにしまい、リュックを背負ってドアに向かって歩いて行くと私の視界に恐ろしい光景が広がっていた。

引き返すことも出来ない。

この人たちは私が行くまで帰らないはずだ。

なんならぐずぐずしていると教室の中に入り込んできて荒らしかねない。

つまり、行くしかないのだ。

意を決し、女子5人組の前に歩み出る。


「あんたよね、瀬生碧萌って」

「はい、そうですが...」

「話があるんだよねぇ。ほんとはもっと前から詳しく聞きたかったんだけどテストがあって聞けなくて。だから今からじっくりお話させてもらいたいんだけど、いいかしら？」

「はい...」