空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
レントゲンを撮るのに30分以上待たされたが、結局骨は折れておらず、打撲だけだった。

暫くは安静にして過ごすよう先生から言われ、薬もないのでそのまま帰ることになった。

時刻はいつの間にか午後3時を回った。

夏になり、日は延びてまだまだ明るい。

空は青空。

見上げて思うのは、颯翔くんの幼なじみのことだった。


「颯翔くん、青空さんのこと聞いていい?」

「話はするがここだと暑い。あっちにカフェがあるからそこに行こう」

「了解です」


傷口はまだ痛むし、また傷つくことになると思うけど、これもまた受け止めなければならない事実。

冷房の効いた店内で涼みながら颯翔くんと2人きりになれるだけいいと思わなきゃ。


< 77 / 112 >

この作品をシェア

pagetop