上司は優しい幼なじみ
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たっくんが海外に飛び立ち、早いもので2年半が経とうとしている。
最初はマメに連絡を取っていたのだが、少しずつ彼からの返事が遅くなり、それがやがて返ってくる回数も減った。
向こうでとても忙しそうにしていたのはわかるから、私からしつこく連絡するのも迷惑になると思い、’私のことは気にしないで、仕事頑張ってね’と一言送り、それからパタリと連絡が止まった。
それでもたまにたっくんから電話来た時もあって、その時は30分くらい私がべらべらと喋り、それで終わってしまうこともしばしば。
でも、たっくんの活躍を私は知っている。
社内報に度々取り上げられており、それを見れば連絡をしなくても頑張ってやっているんだって思える。
---30代の若手が見る、インテリア業界の未来とは
最近の、たっくんが取り上げられた社内報を見返す。
生き生きとした表情の写真と共に、インタビュー内容が長文で記載されている。
---山本氏との新プロジェクトも成果を収め、更なる事業拡大を狙う
山本さんと同じ環境、同じ時間を共有し、少し昔の気持ちが溢れることはなかったのだろうか。
’結婚しよう’
その言葉を信じ、ずっと胸に大切に抱いて今も私は商品企画部で奮闘している。
二人の現在が全く気にならないと言えば噓になる。
だけど、私は与えられた仕事を全うし、彼を待つしかほかない。