上司は優しい幼なじみ
「陽菜、ごめん待たせた?」
「たっくん!ううん、全然」
たっくんの車はすぐ目の前に駐車されていた。
ポケットからキーを取り出し、ボタンでカギを開ける。
こうして運転する彼の助手席に乗るのも2年半ぶりだ。
本当に帰って来たんだ…
シートベルトをしたが、一向に車が動き出す気配がない。
エンジンもかけず、車内には沈黙が流れる。
不思議に思い、運転席の彼の横顔を見つめた。
「どうかした?たっくん?」
するとたっくんはふぅっと深く息を吐き、私に目線を移す。
「陽菜、両手出して」
「え…?」
言われるがまま両手を差し出す。
たっくんはそこに自身の手を重ねた。
感触に違和感があった。
私が感じた温もりは、たっくんの手の温度だけではなかったから。
包み込んでいた手をそっと離し、まるでマジックのように’あるモノ’が顔を覗かせる。
ボルドーカラーでベロア素材の四角くて小さな箱。
彼の手により、その箱はゆっくりと開かれる。
「あっ…」
そこにはキラリと光る小ぶりなダイヤが埋め込まれたリングが存在感を放っていた。
いくら私でも、この意味はすぐに理解できた。
顔を上げる。慈しみに満ち溢れるその瞳をしっかりと捉えた。
「陽菜。長く待たせてごめん。約束を果たしたいんだ」
この後言われるであろう言葉。わかっているはずなのに…いや、わかっているからこそ、鼓動が速まる。
「俺と、結婚してください」
「たっくん!ううん、全然」
たっくんの車はすぐ目の前に駐車されていた。
ポケットからキーを取り出し、ボタンでカギを開ける。
こうして運転する彼の助手席に乗るのも2年半ぶりだ。
本当に帰って来たんだ…
シートベルトをしたが、一向に車が動き出す気配がない。
エンジンもかけず、車内には沈黙が流れる。
不思議に思い、運転席の彼の横顔を見つめた。
「どうかした?たっくん?」
するとたっくんはふぅっと深く息を吐き、私に目線を移す。
「陽菜、両手出して」
「え…?」
言われるがまま両手を差し出す。
たっくんはそこに自身の手を重ねた。
感触に違和感があった。
私が感じた温もりは、たっくんの手の温度だけではなかったから。
包み込んでいた手をそっと離し、まるでマジックのように’あるモノ’が顔を覗かせる。
ボルドーカラーでベロア素材の四角くて小さな箱。
彼の手により、その箱はゆっくりと開かれる。
「あっ…」
そこにはキラリと光る小ぶりなダイヤが埋め込まれたリングが存在感を放っていた。
いくら私でも、この意味はすぐに理解できた。
顔を上げる。慈しみに満ち溢れるその瞳をしっかりと捉えた。
「陽菜。長く待たせてごめん。約束を果たしたいんだ」
この後言われるであろう言葉。わかっているはずなのに…いや、わかっているからこそ、鼓動が速まる。
「俺と、結婚してください」