上司は優しい幼なじみ
ずっと待ちわびていた言葉。
初恋だった彼が、目の前で私にプロポーズをしている。
あの頃の自分に聞かせてあげても、絶対に信じられないだろう現実。

目からは大粒の涙が流れ、頬を伝う。

「…はい。宜しくお願いします」

箱に入った小さな指輪は私の左手の薬指でキラリと光る。

たっくんは私の頬にそっと手を添え、顔を上げさせ静かに唇を重ねた。





「ん-…」

目覚ましが鳴る時間よりも随分と早く目が覚めた。
この景色は…私の部屋ではない。

そうだ。昨日は確か、たっくんにプロポーズされた後、そのまま彼の部屋に来て…

プロポーズ…

左手をちらっと見ると、現実の証がしっかりと薬指に存在していた。

その視線が自身の胸元に移り、露わになっている膨らみを見て思い出す。
この格好、ベッドしたに散らばった衣類がそれを物語っていた。

「…昨日凄かったよ、陽菜」

「た、たっくん。起きてたの?」

隣で横になるたっくんと目が合う。
彼の手が私の顔付近に伸びてきて、手櫛で乱れた髪を優しく整えた。

「て、てか!凄かったって、何!?」

「ん?いつも以上に色っぽかった」

わ、私が色っぽい!?そんなはずは…!!

でも、昨日の出来事はあまり覚えていない。
それくらい夢中になっていたということだ。

どんな姿を晒していたのかと想像すると恥ずかしくてたまらない。
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