年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 けれどこの時、私の視界は涙で滲み、湧き上がる感情が喉を詰まらせて言葉が出なかった。
「だけどリリア様はもう、大丈夫ね。手をこまねいて見ているだけの私とは違う。貴方だけの騎士が、その腕で貴方を救ってくれたんですもの。これまで苦渋を味わってきたからこそ、この後の貴方の人生には、幸福しか残っていないわ。そうよね?」
 スコット子爵夫人は言葉の最後にそんなふうに付け加え、悪戯な目でセラヴィンさんを見上げた。
「もちろんだ。この後は俺が、リリアを守る。災厄の一切を彼女に寄せ付けてなるものか」
 セラヴィンさんはそれに、力強く答えた。
 真っ直ぐに語られた台詞……。耳にして、ギリギリで堪えていた涙の防波堤は決壊した。
「リリア……」
 セラヴィンさんにそっと抱き寄せられて、私の泣き顔はセラヴィンさんのマントの内側に隠された。
「まぁ、頼もしいわね」
 スコット子爵夫人はいつものようにコロコロと笑った。だけどその声は、涙でくぐもって掠れていた。
「そうそう、少し待っていてね」
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