年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 だけど私に言わせれば、夫人が謝罪する事の方がおかしい。私は夫人の心遣いで、どんなに救われてきたかしれないのだ!
「そんな事ありません! スコット子爵夫人がさりげなく渡してくれた品に、私は幾度となく命を繋ぎました。だけど、いただいたのは食べ物だけじゃありません。お会いするたび、遠回しに私の状況を案じる言葉をかけてもらって、そのたびに心がふわりと綻びました」
 スコット子爵夫人を固く抱き返し、私もまた涙ながらに思いを伝えた。
 自分の事を案じてくれる誰かがいる。それはまるで、暗闇に差し込む一筋の光のよう。私はその光のお陰で闇にのまれずに、ここまでやってこられたのだ。
「……リリア様は不思議ね。多くの辛酸を舐めながら、それでも貴方は決して輝きを失わない。そんな貴方を、私はいつも眩しい思いでみていたわ」
 ……それは違う。だって、眩しいのは私じゃない。
 私には、スコット子爵夫人が差し出してくれる優しい手と、柔らかな微笑みが、いつだって眩しかった……。
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