年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 馬車に向かおうとしていたお母様が戻ってきて、私が持つバスケットに向かって手を伸ばす。
 っ! 私はお母様がバスケットに手を掛けるよりも前、反射的にスコット子爵夫人にバスケットを差し出した。
「お気持ちは嬉しいのですが、これは――」
「いいえ、スチュワード辺境伯夫人、気を遣ってるのとは全然違うのよ。こんなお婆ちゃんの手作りじゃ、ご迷惑かとも思ったんだけど、私がリリア様に持って帰って欲しくて居ても立ってもいられなかったのよ。だから、貰っていただけたら嬉しいわ」
 ところが、私がみなまで言う前に、スコット子爵夫人が言葉の途中を遮った。淑女の取る行動としては少々マナー違反だが、にこにことして人の良い彼女が取ったこの行動は、不思議と失礼とは感じなかった。
 しかもスコット子爵夫人は、茶目っ気たっぷりに微笑むと、わざと空いた両手を後ろに隠してしまう。
 もしかして、スコット子爵夫人は私の異変に気付いている……? 彼女の微笑みに、そんな思いが過ぎった。
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