年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 ……ん? セラヴィンさんの声が、どことなく苦しそうに感じた。
 とはいえ、今のセラヴィンさんはうつ伏せになって枕に顔を埋めており、そのせいで声がくぐもって、変なふうに聞こえているに違いなかった。
「いきますよっ!」
 威勢のいい掛け声と共に、私はバフンとセラヴィンさんの上に覆い被さる。
 そうして私は大汗を垂らしながら、セラヴィンさんの腰から肩にかけて、全体をグイグイと揉み解した。

「セラヴィンさんどうですか?」
「あぁ、リリアのおかげですっかり体が軽くなった」
 セラヴィンさんは息を荒くする私の頬をサラリとひと撫ですると、優しく微笑んでそっと肩を押した。そうすれば、私は仰向けの体勢で、ぽふんと敷布に横たわる。
「俺は湯を浴びてくるから先に休むといい」
 頭上に影が落ちたと思ったら、額にふわりと柔らかな感触が落ちる。
 触れるだけの額へのキスは、お勤めの終わりと、お休みなさいのサインだ。
「……はい」
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