年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 離れていったセラヴィンさんの温もりと感触をほんの少しだけ名残惜しく感じながら、そっと瞼を閉じた。
 ……段々と、セラヴィンさんの気配と足音が遠ざかる。お勤めが終われば、セラヴィンさんはお湯を使うために退室する。もう二週間繰り返した、いつも通りの流れ。
 だけど、いつもよりほんの少し寂しいと、どこか物足りない感じるのはどうしてだろう?
 セラヴィンさんの手がドアノブに掛かり、ゆっりと扉を引くのが音で分かった。
「あの、セラヴィンさん」
 セラヴィンさんの姿が扉の向こうに消える前、気付けば、私は彼の背中に向かって呼び掛けていた。
「なんだ?」
 呼び声に、精悍な美貌の王様が、甘く蕩けるような笑みをのせて振り返る。
 ……なんて綺麗なんだろう。そして、なんて逞しく魅力的なんだろう。
「こうやって夜毎、お勤めを重ねていたら、いつか私の元にも赤ちゃんがやってきてくれるでしょうか?」
 心から、欲しいと思った。こんなにも素敵な男性を父に持つ子を、他でない私が、授かりたいと思った。
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