年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 訊ねながら、しかし気配に聡い俺は、ルーカスの存在に気付いていた。そうしてルーカスが俺と彼女の会話を聞いていただろう事も察していた。
「いや、聞いたってよりは、通りがかったらちょうど聞こえてきた。別に、扉に耳を貼り付けて聞き耳を立てていたわけじゃない」
 ルーカスの弁明に、俺はヒョイッと肩を竦めるにとどめた。
 今更、俺と彼女の清い関係を隠す事に意味はない。なによりこの二週間で、彼女が男女の事はもとより、一般常識といえる部分についても疎い事は周知だった。
「聞き耳いかんはどうでもいい。だがルーカス、お前の言う『幼い』は間違っている。リリアは学ぶ機会に恵まれなかっただけだ」
 淑女教育だけではない。リリアは、年齢に応じて親や近親者らから当たり前に教えられるべき基本が、省かれてしまっていた。
「そこは間違いねぇな。むしろ彼女は、学ぶ機会を与えられなかったからこそ、見聞きした情報から吸収し、自らの手で模索する力が桁違いだ」
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