年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「かつての逃亡中、お前はまるで手負いの獣のように人を寄せ付けなかった。追従する臣下らは皆、お前の王位奪還を掲げながらも、お前自身とどこか通じ合えないもどかしい思いを抱えていた。腐敗した統治に苦しむ地方領主ですら、積極的な意思を示さないお前の擁立に躊躇する者もいた」
 ルーカスが語る、真摯とは程遠いかつての自分の姿は耳に痛く、胸には苦い物が広がる。
 ただしそれも道理で、リリアと再会を果たす前は、俺の王位に対する認識は今とはまるで違っていた。父と兄を奪われ、不当に国を追われる俺にとって、王位というのは忌むべき対象でこそあれ、望んで手にしたい物ではなかった。
 人は煌びやかな見せかけに惑わされがちだが、王の実体はすなわち、骨身を削って国に尽くす奴隷だ。一国の舵取りは、そう甘い物ではない。事実、俺の知る祖父も、父も、己を犠牲にして、国の発展のために日夜身を粉にして働いていた。
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