年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 目を細めて語る俺を見つめ、ルーカスがゆっくりと口を開く。
「俺が言うのもおかしな話だが、リリア嬢を幸せにしてやれ。もう一週間も前になるが、突然おふくろが訪ねてきた事があった。おふくろは俺に泣きながら言うんだ。あんなにいい娘が不遇のままでいいわけないってな。理由は言わなかったが、察するに彼女の苦しい身の上でも聞いたんだろう」
 ゴードン伯爵夫人に、涙ながらに訴えさせるほどの苦境……。
 真に辛いのは、自身が苦しい事ではない。自分が苦しいよりも、愛する誰かが苦しい方が、身を切るように辛く苦しいのだと、これはリリアが教えてくれた。
 胸が千切れそうだった。
 俺は無意識のまま、固く両の拳を握り込んだ。
「当たり前だ。これまでの苦労など忘れるくらい、俺が誰よりも幸せにする。他でない俺の手で、リリアを幸せにしてみせる」
「そうだったな。こりゃ、余計な事を言っちまったな。だが、これだけは言える。リリア嬢を手にしたお前の人生もまた、幸福にあふれたものになるんだろう」
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