年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 幼少時から兄弟のように育ち、共に苦楽を乗り越えてきた同志ともいえるルーカス。そのルーカスからもたらされた祝福は、特別な感慨を伴って、俺の胸の深いところにじんわりと染み込んだ。
「まったく、妬かせてくれるぜ。軍宿舎に戻るつもりだったんだが、興も削がれちまったからな。俺も俺だけの女神でも見つけに行ってくっかな」
 ルーカスはヒョイとひとつ肩を竦めて軽い調子で言うと、踵を返した。
「……ルーカス、俺からもお前にひとつ助言をしよう。一歩歓楽街に出れば、数多の美女がお前に甘やかに擦り寄って愛を囁き、柔らかに抱き締めて有頂天にさせてくれるだろう。俺も一時の情愛を満たす行為自体を否定はしない。だが、真の愛はそこにはない。お前の女神はきっと、そこにはいないぞ」
 俺の言葉に、ルーカスは足を一歩踏み出した状態で、ピタリと止まった。
 野暮を言うつもりは更々なかった。事実、一時の情事を楽しむだけのつもりなら、娼館をはじめとした遊び場はうってつけだ。
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