年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 書類から目線を上げて問いながら、今ばかりは俺の予想が外れてくれと願わずにはいられない。婚姻式を間近に控えたタイミングで、面倒事は避けたいというのが正直なところだった。
「ご名答だ。デルデ公国へ派遣した諜報員が情報を上げてきた」
 無情にも、ルーカスは、俺が想定した中で最悪の答えを返す。デルデ公国という言葉から、これから聞かされる報告が、リリアに関係する事案だというのは容易に察しがつく。
 リリアが憂う内容を聞かされる事は、俺が苦慮する案件を聞かされるより、何倍も胸に重い。内心の落胆は大きかった。
「聞こう」
「端的に言う。リリア嬢の母君が、公式文書偽装と横領の罪を犯し、デルデ公国から身をくらませた」
「なんだと?」
 聞かされた内容に、すぐには理解が追いつかない。
「驚くべきはそれだけじゃねぇ。デルデ公国を出た母君は、現在ニルベルグ王国に潜伏している可能性が高い」
 目を瞠る俺に、ルーカスは更に衝撃的な台詞を続けた。
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