年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「まず事の発端は、長く床に伏していたリリア嬢の義父の病死だ。母君が後妻だったのは知っているだろう? 子の無い母君は、財産を継げなかった。だが、デルデ公国の法では、故人の遺言書があれば法定内の相続が可能だ。亡くなったスチュワード辺境伯も、母君への相続を記した遺言書を残して逝ったようだ」
「それが、偽装だったというのか?」
「あぁ、偽装と分かったのは、遺言に則り財産分与がなされた後だ。当局が気づいて捜索に動き出した時には、母君は国を出た後だった。ちなみに、裏も取れてる。捕縛した代筆屋が全て吐いた。母君が罪を犯した事はもう、間違いない」
 ……なんという事だ。
 文書偽装だけならまだしも、それによって得た資産を持ち逃げしたとなれば、貴族といえど死罪すらあり得る大罪だ。
「しかし何故、リリアの母親はそんな危ない橋を渡るような真似をした? 仮に夫の資産が相続できずとも、彼女はデルデ公国の伯爵家の出だ。実家を頼れば、金銭的な困窮はあり得んだろう?」
< 162 / 291 >

この作品をシェア

pagetop