年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 バスケットいっぱいに、ギュウギュウに詰められていたのは、堅パンに、干し肉、乾燥ナッツといった、保存の効く食べ物ばかりだった。
 ……あぁ、やはりスコット子爵夫人は気付いていた――!
 目の前の品々に、スコット子爵夫人が私の窮状を察し、身を案じてくれている事を悟る。
 スコット子爵夫人の心遣いに、胸が熱く震えた。目頭が熱を持ち、目に映る景色がじんわりと滲む。
 私の事を気に掛けて、心を砕いてくれる誰かがいる。その事実が、私の心を否応なしに熱くする。
 故郷と大切な家族を亡くしてから、これまで幾度となく涙で頬を濡らしてきた。だけど今、私は初めて嬉しさから出る涙で頬を濡らしていた。
「スコット子爵夫人、ありがとうございます。それから今すぐには難しいけれど、夫人にいつかこの恩がお返しできるように頑張ります……!」
 小さく決意表明を呟いて、滲む涙をグイッと拭った。
 私は取り出した食べ物を、お母様や使用人らの目につかぬよう、文机の引き出しとクローゼットの中の櫃に分けて隠した。
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