年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 そうしてバスケットの中にマフィンだけを残し、わざと一番目に付きやすいナイトテーブルの上に置いた。これを見れば、お母様も貰ったのがマフィンだけだと信じて疑わないだろうと思った。

 ――コンッ、コンッ。
 私が外出用のドレスを脱ぎ、アクセサリーを外し終えたところで、扉が叩かれた。
「夕食の前にお湯に浸かってしまうようにと、奥様が仰せでございます」
 外から掛かる侍女の声で、無事に今日の湯あみと夕食が確保された事を知る。
 お母様の気が変わってしまう前に湯あみを終えて、食堂に行かなくちゃ……!
「はい、すぐに行きます」
 私は侍女に返事をするとすぐに、湯あみの支度を整えて部屋を後にした。
 脱衣所で衣服を脱ぎ捨てると、逸る心のまま浴室に飛び込んだ。湯けむりの漂う洗い場で、丁寧に体を洗う。
 その時に偶然、手のひらが乳房に触れた。
 見下ろせば、以前はまっ平だったそこが、ほんの僅かに膨らみ始めているのが分かる。私の目に、膨らみ始めた乳房がとても忌まわしい物として映る。
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