年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 三人はいつも、昼食はランチボックスを持参して工房で食べる。そうして昼食後は、小一時間ほど休憩を取ってから、午後の作業を始めるのが習慣となっていた。
「お父さーん!」
 私が狙うのは、そのお父さんの休憩時間だ。
「お、リリアか! 今日も来たのか?」
 私が工房の入口から顔を出せば、三人はちょうど昼食を食べ終えて、空のランチボックスを纏めているところだった。
 私に気付いたお父さんは満面の笑みで歩み寄り、大きな手で私の頭をワシャワシャと撫でた。
「うんっ! ねぇお父さん、かくれんぼをしよう!?」
 私は優しいお父さんと、お父さんから貰うこの”ワシャワシャ”が大好きだった。
「よし、それじゃあ最初はお父さんが鬼だ」
「うんっ!」
 お父さんは私を見つけた時、大きな手でワシャワシャと頭を撫でてくれる。だからかくれんぼは、私の気に入りの遊びだった。
「もういいかーい?」
 お父さんとのかくれんぼは、あらかじめ隠れる範囲が工房と売店の家屋、そうして敷地内の小さな雑木林の中と決まっている。
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