年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「まーだだよ!」
 幾度か問答を繰り返しながら、私は今日は工房二階の資材置き場に身を隠す事にした。雑多と物が置かれた工房の二階は、小さな私が身を隠すには打って付けだ。私は数日前に隠れた時よりも更に奥、壁と資材の隙間に背中を丸めて身を潜めた。
 ……ふふふ、これならなかなか見つからないはず!
 案の定、なかなかお父さんは現れなかった。
 ……あれ、なんだろう? 窓の外が少し、騒がしい?
 湖沼地帯のこの街は、いつも穏やかな時間が流れ、喧騒とは対極にあった。窓越しに、遠く聞こえてくる喧騒に、私は首を捻った。
 ――ガッシャーンッッ! ガシャンッ!!
「っ!?」
 階下から盛大な破壊音が響き、直後に、階下から私のいる二階へと熱風が吹きあがる。
「……っ! ……ゥ、グッ!」
 吸い込んだ空気の熱さと煙さに、一瞬で呼吸苦に陥る。だけど私は自分の身に何が起きているのか、何故苦しいのかまるで分らなかった。
 ギュッと瞼を瞑り、背中を丸めて咳き込んだ。
「ケホッ! ……ッ、ゴホッ」
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