年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
この段になれば、ヒューヒューと不快な音は、お父さんの声よりも大きく響く。私はお父さんの命の灯が、消えかけているのを感じた。
だけどお母さんの名前を口にするお父さんの瞳は、強く光を弾いて輝く。
「彼女は厳格な両親の下で、愛を知らず、孤独に育った。そうして出会った僕を、彼女は妄信的に愛してくれた。僕を失って、きっと彼女は苦しむから。だからどうか、お母さんの助けになってやってくれ……」
お父さんは言い切ると、それっきりもう二度と言葉を発しなかった。ヒューヒューという不快な音ももうしない。その瞳も、もう光は弾かなかった。
私は物言わぬ父の骸に縋り、狂ったように泣いた。やがて私も、父の骸に折り重なるようにして意識を失くした。
次に目覚めた時、私はデルデ公国のお母様の実家にいた。そうしてお母様から掛けられたのが、あの言葉……。
『どうしてあの人がお前を助けて死ななければならかったの? 私の大切なあの人を返してよ、この人殺し』
◇◇◇
喉の奥が締め付けられたようになり、息が詰まった。
だけどお母さんの名前を口にするお父さんの瞳は、強く光を弾いて輝く。
「彼女は厳格な両親の下で、愛を知らず、孤独に育った。そうして出会った僕を、彼女は妄信的に愛してくれた。僕を失って、きっと彼女は苦しむから。だからどうか、お母さんの助けになってやってくれ……」
お父さんは言い切ると、それっきりもう二度と言葉を発しなかった。ヒューヒューという不快な音ももうしない。その瞳も、もう光は弾かなかった。
私は物言わぬ父の骸に縋り、狂ったように泣いた。やがて私も、父の骸に折り重なるようにして意識を失くした。
次に目覚めた時、私はデルデ公国のお母様の実家にいた。そうしてお母様から掛けられたのが、あの言葉……。
『どうしてあの人がお前を助けて死ななければならかったの? 私の大切なあの人を返してよ、この人殺し』
◇◇◇
喉の奥が締め付けられたようになり、息が詰まった。