年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「なんでも、女の落とした物を拾って届けてやったとか。その営業時間外の縁で、女から誘いを受けて店の方にも足を運んだようです」
 ……なかなか行けない店。それの意味するところは、単純な代金というだけでないだろう。
 おそらくルドルフは作為的に作られた切欠によって女と出会い、その縁によって、一見では入店の適わない格式の高い店に招かれたのだ。
「ルドルフが最後に店に足を運んだのはいつだ?」
「事件の前夜です。というかルドルフの奴、ここのところは休みを待たず、仕事後に連日のように通っていましたから」
「そうか、よく話してくれた。容疑が固まり次第ルドルフを捕縛する。それまで、間違ってもルドルフに情報を漏らしたりはせぬよう注意してくれ」
「承知しています」
 アーベルは決意の篭る目で、重く頷いて答えた。
「ご苦労だった。料理長にはこちらから伝えてあるから、そのまま厨房で通常業務に戻ってくれ」
「はい、失礼いたします」
 アーベルは接見室を後にした。




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