年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 扉が閉まり、接見室に一人残って考えるのはリリアの事……。
 現在、リリアの母親の潜伏先として筆頭候補にあがっているのが繁華街だ。今まさにルーカス指示の下、重点的な捜索が行われており、居所の判明ももう間もなくと思われていた。
 ……此度の一件の黒幕は、リリアの母なのだろうか? いいや、本当のところはまだわからん。
 俺は、万に一つの可能性で、儚い望みが捨てきれなかった。それでも、俺自身がどんなに否定してみても、状況はリリアの母親を容疑者として浮き上がらせる。
「どうして神は、リリアにばかり試練を与えるのか……」
 湧き上がる激情を抑えるように、固く拳を握り締めた。
「セラヴィン、いるんだろ? 俺だ」
 ――ギィイイイ。
 声が掛けられるのと、扉が開かれるのは、同時だった。
 こんな無作法を公然としてみせるのも、そして俺がそれを許すのも一人しかいない。
「……ルーカス」
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