年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「私は本当に不甲斐ないわ……。昨日の用事だって、今思えば決して急ぎではなかったの。なのに私は判断を誤って、結果として肝心な時に貴方を守れなかった」
 苦し気な呟きを聞き、私は弾かれたように夫人の肩に手を置いて、首を横に振っていた。
「そんな事ありません! タイミング的にそうなっただけの話で、ゴードン伯爵夫人が不甲斐ないだなんて、決してそんな事はありません。どうか今回の一件で、ご自分を責めたりはなさらないでください」
「……ありがとう。あなたは本当にお優しい方ね」
 語気を強くして言う私に、夫人はそう言って微笑んだ。私は尚も、言葉を続けた。
「それに私は、これまでゴードン伯爵夫人にどんなに励まされてきたか……! 王宮にきたばかりの頃、私は右も左も分からなくて、随分と愚かな姿も見せてしまいました。だけどゴードン伯爵夫人は呆れる事も無く、一から丁寧に教えてくださって、私はどんなに救われた事か。なにより毒物混入後に、私に付いていてくださったのが、とても心強かったです」
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